嗚呼、青春
亀梨和也






カキーーーーン


「和也ーー!!走れー!!!!」


ホームラン。


「和也!!お前さすがだな!!!」

「そんなことねぇよ」


俺、亀梨 和也。

野球部のエースであってキャプテン。


グラウンドの横では女たちがキャーキャー言ってる。

ウルサイ・・・。

「集中できねぇから他行ってくれる?」

「ひどい」なんて言ってどっか行く奴もいれば、

「かっこいい」だなんて言う奴もいて、

まぁ、あいつらが悪いんだし、俺は悪くない。

だからいい。

あ。

泣いてる。

俺?

俺が泣かしたの?

どうしよ。

やっぱ謝った方が良いのか?

一歩一歩そいつに近づいて・・


「あの・・・さ、ごめん。」

「えっ・・?」

泣いてない。

「いや、何でもない。」

謝って損した。

さっさと練習に戻ろう。

なんだよ。
しかもあいつ同じクラスの奴じゃん。


名前は

 

無口だけどあいつの周りにはいつも人が居て、

人気者。

頭もいいし、運動も出来て。

何でも出来る女。

声は何言ってるかわかんねぇくらい小さいけど。

変な奴。




なんであんな奴が人気なんだ?


「あのっ!!亀梨くん!!!」

「へっ?」

「アタシ亀梨くんが好きだから!!・・・野球頑張ってね!!!」


俺は「おう」としか言えなかった。

なんかドキドキして。

その後、野球にも身が入らなくて。

おかげで監督に怒られて・・・


次の日も、

また次の日も、

あいつは普通。


ある日の放課後、教室にグローブ忘れたから取りに行くと、

あいつが居た。


 


「・・・あのさ、」


「返事・・・聞いてなかったよね・・?」



最近、ずっとお前の事考えてて・・・


・・・?


考えてて・・・?


俺、こいつ好き?




「あのさ・・・」



俺が言い終わらないうちにあいつが、



「ねぇ、今日の試合観に行ってもいい?」


はっ?


そんな積極的なイメージがなかったからビックリして・・・


「ああ、いいけど」


なんてとっさに応えて。



グラウンドに立つ。

アイツが観てる。

何緊張してんだ、俺。

いつも通りにすればいいはずなのに、

アイツが観てるから・・・




「頑張れーーーー!!!」


カキーーーーン


あいつの初めて聞いた張り上げた声と共に、
俺が打ったボールはホームラン。





「和也!!お前さすがだな!!!」


「そんなこと・・・」



あったりするかも。


俺、亀梨 和也。


野球部のエースであってキャプテン。


グラウンドの横では女たちがキャーキャー言ってる。



今日は好きなだけ言わせてやろう。


たまにはこうゆうのもいい。



――――――嗚呼、青春。――――――


感じてんだなぁ・・・俺。






END

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