もうすぐ、この寒い季節は終わる。

もうすぐ、君への恋も...

終わる。



最後の春
亀梨和也




高校三年間で無事卒業。
ああ良かった。
でも...
卒業すればアイツに会えなくなる。

卒業後、地方の大学に行くらしい。

あと少し、
あと少し、

あと少しすれば告白ができそうなんだ。



もう少し、
もう少し、





「これで、卒業式を終わります。
卒業生退場。」





ああ、俺の恋が終わっちまう。

早く、早く!!
早くアイツの所に行かないと!!



あっ、いた!



あれ?こっちに来る、



どうしよう、
どうしよう。



このまま通り過ぎて後で話すか?



いや、もうこれを逃したら無い気がする。
でも俺、話したこと全くって言っていいほど無い。



来た、来た、来た。



大きく息を吸って・・



「「あの・・っ」」



言葉が重なった



「桜っ、キレイだね。」

「あ、ああ。」



『君のほうがキレイだよ』



なんて言えるわけが無くて、



「もっと亀梨君と話したかったな。」
なんて可愛いこと言う君。



『俺も』



なんて全然言えるはずが無くて、
情けない俺。



「亀梨君、写真撮ってくれない?」

なんだ、俺が写真撮ったらいいのね。
ちょっと期待してた俺。
やっぱ情けねぇのな、俺って。


「じゃあいくよ〜、」

これが最後の会話かよ、
結構ショックかも。

「ハイ、チー・・」
「違うよっ!!」
「へ?」

カシャッ

ビックリしすぎて気の抜けた返事と共にカメラのシャッター音。


「違うの...あのね、実はその・・」


なっ、何!?
コイツの顔がみるみる内に赤くなって、
俺もつられて赤くなって、



ええーぃ!!もう今しかない!!!



「あのさぁ、俺ずっと・・」





「「好きだった」」





俺の恋。
単なるクラスメイトだった最後の春。


桜が舞う頃、

恋人になった。






END

寂しくなって書いた小説。
こんな恋いいよね―。
ちょっと寂しいけどねえ(笑)
SEO [PR] おまとめローン 冷え性対策 坂本龍馬 動画掲示板 レンタルサーバー SEO