こんな時が来るとは思わなかった



六月の雨
中丸雄一




が出て行ってもうすぐ1週間



あの日は雨が降っていた










そして…










今日も雨は降っている











玄関には少し大きな傘がある





はあまり外に出かけないヤツだった


でも・・・


雨の日には必ずと言っていいほど


外に出たがったんだ


俺が「いや」というと少し寂しそうな顔をした


「行こうか」


その言葉を聞くたび は はしゃぎ回る子犬のように嬉しそうな顔をしてた










俺とひとつの傘に並んで歩くのが本当に幸せそうで・・・










幸せだった。











でも  もう


「行こうか」


なんて行っても誰も一緒にはいてくれない










がいなくなった今は


あの傘はなんだか少し大き過ぎて


寂しさが増すんだ





でも





だから





今日が最後だから





ひとりで使ってもいいよね





と歩いたこの道も


あの道も


遠回りしたり



近道したり



びしょびしょになって歩き回って



そんな事が楽しかったんだ





幸せだったんだ





俺との笑い声が


傘の中で響いてた





でも





今聞こえるのは










俺のこらえる泣き声と










雨が傘にあたる音だけだった…










と歩いた道を歩いても


寂しくなるだけで


は見つからない


振り向いても振り返っても










はもうどこにもいない










がいなくなった今は


あの傘はなんだか少し大き過ぎて


寂しさが増すんだ


だからこの傘を


俺たちの思い出と共に一緒にそっとしまっておくよ



こんな時が来るなんてあの頃は思いもしなかった時間が


今となっては嘘みたいにあたり前になって行くけど


ふたりのこの傘と思い出はどこにも消えたりはしないから・・・










だから









またいつかふたりで使える日が来たら  、















肩を並べて歩こう?















END

暗いねぇーでもいいんじゃないかな。
しかも初BGM!泣きそうじゃない?(お前だけ)
この小説「ゆず」の「悲しみの傘」の歌詞を使わせていただきました。
けっこうそのままになってるかも(え)
でも変えて変えましたから!頑張りましたから!

BGM:遠来未来サン

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